原料のいわしについて
 
 
 
イワシは日本人にとって最も身近な魚です。縄文時代の貝塚を発掘すると、イワシの骨が多数出土するのを見ても、紀元前の昔から、私たちはイワシをたくさん食べていたようです。
イワシの語源は、漢字で「鰯」と書くことから“よわし”、あるいは、大量に摂れるがすぐにいたむので“賤し”などとするものや、ものをたっぷり食べさせて元気にさせるという意味の“いわす”からきたなど諸説があります。
このように、イワシは日持ちのしない弱い魚の代表と見られていますが、獲れたての新鮮なイワシは、“七度洗えば鯛(たい)の味”といわれるくらいおいしい魚です。
 
  いわしの系図(原料は銚子のカタクチイワシ)  
 
いわし3兄弟 イワシの種類は、世界中で 300 種類以上もあると言われています。日本の周辺にすんでいるものでも26種類あり、そのうち漁獲量が多く、一般によく知られているものは次の3種類です
真いわし
  イワシといえばこのマイワシを指すほどで、いわば3兄弟の長男。
1988年の最盛期には450万トンもの漁獲量がありました。体側に1列あるいは2列、7個くらいの黒斑が並んでいるのが特徴で、別名「7つ星」。マイワシは温帯性の回遊魚で日本近海どこでも獲ることができます。成魚は25 cm くらいですが、大きさによって小羽(こば・ 10cm 前後)、中羽(ちゅうば・ 13 〜 15cm )、大羽(おおば・ 15cm 以上)と呼ばれています。
片口いわし
  漁獲量がマイワシに次いで多く、3兄弟の次男坊格。
ただし続柄から言うと従兄弟にあたります。下あごが上あごより極端に短いところから“片口”と呼ばれています。地域によって呼び方が変わり、東京などではシコイワシ、セグロイワシ。他の地方では、アオイワシ、アマゴ、クロダレ、タレクチ、ドロボ、ドジョ、ブト、ホホタレ、マルなどと言われています。体型はマイワシよりもスマートで丸みがあり、体長は成魚でも 15cm くらいまで。シラスはカタクチイワシの仔魚で、それを茹でたものがシラス干し、さらに飴色になるまで乾燥させたものがチメンジャコ、平らにして固めたものがタタミイワシ。また、正月料理に欠かせないゴマメ(田作り)は幼魚で、煮干しもカタクチイワシを原料にしたものが多く出回っています
うるめいわし
 

体型はマイワシに似ていますが黒斑はありません。目が大きく潤んで見えることからこの名がつきました。
成魚の体長は3兄弟の中では最も大きく 30cm くらいになります。マイワシやカタクチイワシにように大きな群れをつくらないために漁獲量は少なく、東、北日本よりも西、南日本に多く分布しています。冬場に作られた塩干物は非常に美味で珍重されています。

いわしの仲間  
にしん

マイワシの仲間。 江戸時代、松前藩主がニシンを称して「魚に非ず、海の米なり」と讃えたといわれ当時は乾燥して作る身欠きにしんとともに生活に欠かせない食品でした。

さっぱ(ままかり)

マイワシの仲間。体型が縦に扁平で、瀬戸内海、特に岡山地方で好んで食されています。“ママカリ”とは、サッパがあまりおいしいので、ご飯が足りなくなって借りにゆくという意味。焼魚、すし種に。

このしろ

十分に成長した親魚をコノシロ、中年魚以下をコハダと呼ぶことが多く、江戸前に寿司には欠かせないのがコハダです。焼いたり煮たりしてもおいしくありませんが、塩をして臭みを抜き、酢でしめると途端にかっこうのすし種になるから不思議。シンコはコノシロの幼魚で、すし種として美味。

きびなご

ウルメイワシの仲間。産地は中部地方から南、特に鹿児島県の特産品として知られています。鹿児島地方では帯のことを“キビ”と言い、“ナゴ”は小魚の意味。つまりキビナゴは帯のついた小魚。

 
 
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